おはようございます

 

それは 一昨年 2022年の夏頃?一本の電話から

「ボディ下部の錆止めを・・・」と 新規お客様Nさまより

わたし「では2023年になったら」 みたいな感じでお伝えした様な・・・

で 2023年になり「お願いしたい」ということでお預かり

クルマを見ると

サイドシル下部には 大穴が・・・開いている

わたし「このクルマを直して「これから乗ろう」とお考えでしたら現実的ではないから 他の箱(ボディ)を探した方がいい」

Nさま「この3ドアで前期のターボのMT車というのがなかなか無くて やっと見つけたので このボディを何とか乗って行きたい」

と・・・

わたし「うーーーん どうしましょ」

で・・・

「では できる限りのことをやってあげましょう」

と いうことでお預かり

で お預かり時の作業指示票には

左右 サイドシルの錆穴埋めペイント

と 

ボディ下廻り クリヤ塗装

という内容で お預かり

で 実際に作業を進めていくと 思いの外 酷い・・・

お客様ご予算は 30万円位 でも その錆びの具合では40万でも50万でも仕方ない と・・・

一番手っ取り早いのは 錆びている部分を交換し 錆止め

だが・・・

私としては 溶接パネルの交換は 最後の最後の選択 としたいところだ

その理由は「これから乗るのに 錆を誘発させる様な事は行いたくない」から

でも どうしようもない場合には交換する

では 今回 このクルマの錆びている部分のパーツを交換となると

まずはサイドシル部の交換

錆がこれで済まなければさらに

インナーも交換

 

フロント部 フレーム先端部にも 錆穴が

これも交換  

さらに錆が進行していれば プラスαになること間違いない

で ざっくりで この交換修理だけで

30万円弱はかかる

が それ以上錆が進行していたら 費用は加算する事を考慮しておかないといけない

 

それに 錆止め処理をしたとすると・・・60万~掛かる

が・・・

これをやれば 完璧 とは いえない

 

わかる人は分かるだろう 溶接パネルを交換すると 溶接をした部分が錆びやすくなるということ

だが 錆びにここまで シビヤな私共が施工するので そこは 十二分に注意を払い 錆止め処理をするので できる限りの処置は施すが 完璧 なんてないから・・・

お客様Nさまは 当社に入庫する半年前位にこのクルマを購入してから 錆びている事に気がついて 当社に依頼をしてきたのだ

過去にこのクルマは 何処でどの様な使い方をされてきたのかはわからないが 間違いなくNさまは雪にも海にもいかないから これからの傷みは少ないと思う

Nさまの前オーナーがここまで錆らかしてしまった様だ・・

Nさまは 間違いなくこれから大切にこのクルマに乗っていくであろうと思われるので 今までの様な大きな錆の発生は今後少ないであろう・・・

 

そんな この スズキKeiの今までと これから を考え どの様に施工すればいいか? Nさまは「急ぎませんので」と いう言葉から 一日が10日 10日が20日 と・・・

 

外観を見た感じ そんななので 部品を外して内部を確認したら もっとすごい事になっているだろうとは わかっていたが・・・ 実際に作業を進めてみると・・・ 

フロント部を外していったら バンパーから ライト ライトからフェンダーと・・・ あっと言う間に 「外さなきゃこれゃダメだ」と・・・

フロント廻りの 錆具合をご覧頂こう

助手席側前部↑

 

運転席側 前部↑ 

フェンダーパネルを外すと その錆具合の酷さは より一層確認できる

ワイパー部の下 カウルパネルを外すと その錆具合がわかる・・・

各部品を取り外した後 泥汚れを清掃する いかなる時にも清掃は基本だ

微妙に 全体的に錆が発生しているのです

うん どうしよう・・・

そもそも 当初の予定ではここは手をつける予定ではない部分・・・だけど 酷いからやらなきゃだめだし・・

「やっぱり 錆が酷いから やめません??なんて 言えない つか そんな答えお客様は期待していない」

でも そこまで酷くはない ここで手を打てば

 時間はもらっているから 塗装と相談して「サラッと塗ってあげようよここは」ということになり

囲い(紙はり)マスキング をして (紙はりをしていると社長は遊びに行ってしまう(笑

シールを打ち直すところを軽く打ち直し

サラっと塗装

もちろん見た目は良くなる 錆びの進行も防ぐ事ができる

正直 ここまでの作業は予定していなかったけれど お客様のご理解もあり 時間も頂いているので できる限りの処理はしよう ということで 進める

ここまでの作業が終って 

次 どの様に進める どうする??

で・・・ どうするべきか?を考えていたり 他の作業があり とかで・・・半年 一年と経過していく

そして 今年に入ってから メーカーのお仕事をお断りし 一般ユーザーさんのクルマを中心に手掛ける事にし こちらの車両も 早期納車対象となる一台に・・・

やらなきゃいけないけど  このクルマにとって 一番良い錆止め方法はどうする??と 悩んで考えて・・・

出た答えが

ボディに大穴が開いている所以外の錆の進行は そんなに深刻でない

逆に 程度は悪くないから

当初の ボディ下部クリヤ塗装から Noxudolの施工へ切り替え

錆部の穴は 埋めるのでなく 強度的に問題ない部分なので 錆止め処置をし少しの間 N様に乗ってもらい 錆びの進行を様子みよう ということで

錆穴部の錆を削り 錆止め処理をした後

 

プラグキャップをして 時間の経過とともに このフタを外してみて 錆が進行していなければこのまま ダメなら交換なりを考える方向性で いこうと・・・

錆で開いてしまった穴は悲しいですが 今 それを塞いだところでは「とりあえずの蓋」にしかならないのなら この錆穴を有効活用してあげて 今後 様子を見て どう治療してあげるのがベストなのか? を 考えながら 乗って行っていただければと・・・

そうじゃなきゃ  この手の修理は「お断り」するのが確実だから・・・

 

このクルマとは別のクルマで

先日も 屋根の錆の修理で お客様が来店

「直しても絶対コレダメだから」とお客様に伝えたが

「とにかく 直してくれ 屋根が錆びてては売るに売れない」と言われ 

ノークレームで とお伝えしたのだが 

修理した直後 錆部の鉄板が薄薄なので 凸凹してしまったら それが 気に入らない ということで 再修理

「もしよければクルマを売る時に直しますよ」ともお伝えしたのですが「今直らないと嫌だ」というので 納車もできずに再修理

納車時に「明日 凸凹するかもしれない 半年持つかもわからない」

とお伝えしお渡ししましたが  あれだけは絶対にすぐ錆びると・・・私は判断したから 当初お断りしたのにもかかわらず・・・

なんて 経験もあり

私 正直に伝えます「ダメなものはダメ」

と・・・

ですが お客様にご協力いただける案件は できる限りの処置はいたします

 

こうして 方向性が決まれば 作業は早い

メインフロアは Noxudolの900をたっぷりと塗布

錆びていた フロントクロスメンバも900を塗布後 錆穴部から750をたっぷりと塗りこむ

垂れる位に塗り込みました 

その後 パーツを組み付けし 完成となったのですが 組付けをしながらも 錆止め処理を実施し 今後の錆びの防止に努める・・・

そうこうしているうちに 車検が切れてしまうという事で車検の取得 そして 昨日めでたく納車となりました

長らくお預かりしてしまいまして 申し訳ございませんでした

お客様に一通りのご説明をさせていただき 今後様子を見ていただくことに

 

このお盆休みの一つのミッションでもあった こちらのスズキKeiの作業~納車 ミッションクリヤです。。

 

ありがとうございました